世界平和太鼓紹介

世界一大きい、そして美しい/世界平和太鼓の仕様と特徴

世界平和太鼓には大月市民の皆様をはじめ、約1,000名の方々から募金をお寄せいただきました。この場をお借りして皆様の真心に改めて感謝申し上げます。

世界平和太鼓仕様図

名称世界平和太鼓
種類桶胴太鼓
原木名
太鼓口径4m80cm
胴全長4m95cm
胴仕上げ漆(朱塗り)
重量約2t
分割胴体6分割
初打ち2001年元旦
所有者世界平和太鼓保存会
太鼓制作浅野太鼓楽器店
デザイン大塚茂吉
望月大耿
アートディレクションむらいこうじ

公式ギネスブック認定の世界一の大きさ

世界平和太鼓ギネス認定証の画像

世界平和太鼓の直径は14尺5寸(4m80cm)。2001年1月公式ギネスブックに認定されました。公式ギネス認定では秋田県鷹巣町の「綴子(つづれこ)太鼓」の3.8mやアイルランドのタンバリンの4.7m、非公式では青森県弘前市「津軽剛情張り太鼓」の3.98mを上回るまさに世界一の大きさです。前後の革部分には4才のメス牛の革を使用。500枚の金箔が使用されています。

画期的な6分割組み立て式

従来の大太鼓はその町の象徴とされてきましたが、その巨大さゆえ町内外への移動が不可能だっため、その場に足を運ばなくては見ることができませんでした。しかし、世界平和太鼓は「行動する大太鼓」がコンセプト。トラックや飛行機による移動を可能にするため胴部分を6つに分割できる画期的な設計になっています。

一流の技が生きる響きとフォルム

世界平和太鼓の制作は創業400年の伝統を誇る和太鼓メーカー 浅野太鼓楽器店に依頼。同社は「鬼太鼓」「鼓動」等のアーティスト、グループを支援、和太鼓の普及と太鼓文化を支え続ける老舗です。今回は世界平和太鼓の主旨を深く理解していただき、音色、フォルムともに第一級の太鼓に仕上げていただきました。

日本の伝統工芸の素晴らしさを世界へ!

世界平和太鼓の前後の革には金箔がふんだん使われ、平和の象徴の龍と鳳凰が描かれ、中心には「舞」「心」の文字が踊る大変美しい装飾がほどこされています。
日本の伝統工芸的にも美術的にも、世界に誇れるものにとの考えから、地元大月市在住の陶芸家 大塚茂吉氏(デザイン)、日展書道家 望月大耿氏(書)をはじめ、道化作家 むらいこうじ氏(アートディレクション)、九谷からは日展会友の陶芸家 北村隆氏(蒔絵)らが参加。日本の伝統工芸の技に挑戦しました。台座も地元大月市の職人の熟練の技によって仕上げられています。

発想と経緯

世界平和太鼓制作までの道程

世界平和太鼓の発案者・石岡博実は平成6年1月、山梨県大月市から多くの若者と共に阪神大震災で崩壊した家々の屋根にビニールシート掛けるボランティアを1ヶ月間行いました。ボランティアを続ける中で人間的に大きく成長した若者たちを中心に「大月紅富士太鼓」を結成。練習に励むうちにメンバーの中に調和と規律が生まれ、地域のイベントなどに参加するうちに一人ひとりの地域貢献への意気込みは増していきました。 このような太鼓を通した「打てば響く人づくり」の思いと感動を形として残し、さらなる人間教育を続けてゆきたいとの考えから大月の地で日本を代表する世界平和のシンボルになりうる大太鼓を作り、日本文化、和太鼓の素晴らしさを世界へ紹介しようと1999年に決意。2000年7月 大月市民ら有志による制作実行委員会が発足。こうして本格的に大太鼓作りは始まったのでした。

大太鼓年表

大太鼓は日本各地で造られ、その大きさを競い合ってきました。

1931年(昭 6)綴子(つづれこ)太鼓 秋田県鷹巣町 上町2.16m・下町2.10m
1955年(昭30)綴子太鼓上町新調 鷹巣町 2.42m
1957年(昭32)綴子太鼓下町新調 鷹巣町 2.52m
1970年(昭45)情っ張り(じょっぱり)太鼓 青森県弘前市観光協会 3.3m
1972年(昭47)出世太鼓 青森市 3.36m
1975年(昭50)綴子太鼓上町新調 鷹巣町 3.00m
1976年(昭51)綴子太鼓下町新調 鷹巣町 3.18m
1977年(昭52)あすなろ太鼓 青森県五所川原市 3.24m
1979年(昭54)綴子上町改造 秋田県鷹巣町 3.33m
1980年(昭55)凱旋太鼓 青森市 3.35m
1981年(昭56)みちのく大太鼓 青森市 3.36m
1985年(昭60)もつけ太鼓 青森県黒石市 3.68m
1986年(昭61)綴子太鼓下町新調 鷹巣町 3.71m
1989年(平1)津軽剛情張り大太鼓 弘前市中央青果 4.00m
1992年(平4)綴子太鼓上町新調 鷹巣町 3.80m ギネスブック認定
1993年(平5) 弘前ビブレ大太鼓  弘前ビブレ 3.30m
津軽剛情張り大太鼓新調 弘前市 4.30m
1994年(平6)びっくり開運大太鼓 福岡県直方市 4.25m
1996年(平8)津軽剛情張り大太鼓修理 弘前市 4.00m

世界平和太鼓ができるまで


現在は修復作業を行っています。

世界一の大太鼓「世界平和太鼓」は、21世紀の幕開けとなった2001年1月1日0時00分から打ち鳴らされ、“NHKゆく年くる年”の除夜の鐘と共にスタートしました。

当時、紅富士太鼓と山梨県太鼓連盟の108人メンバーとの共演で、世界73ヵ国へ発信されました。
あれから17年。当初、大月市の「笹一酒造」に観光の目玉として展示してきました。
その間、天皇皇后両陛下来県での演奏、大月市かがり火祭り、富士急ハイランドでの世界一のジェットコースターとの共演などこなしてきたのです。

しかし12年の歳月で「心」「舞」両方の皮に亀裂が入り、やむなく太鼓道場に撤収されていました。
その後の4年間で保管場所の模索や、故天野宣先生のお力をお借りして1メートル近い亀裂の修復作業を行ったものの、打ち鳴らせるだけの強度が得られず、また、理想とする保管場所もなかなか見つかりませんでした。

そして2017年9月に『富士山の銘水株式会社 粟井社長』のご厚意で富士吉田にある粟井社長所有の庭園に移転いたしました。
これから皮の修復を行い、再び皆様にお披露目することができます。もうしばらくお待ちください。